カテゴリー別アーカイブ: Diary

2012.12.24

夢よりも希望を

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20歳を迎える前。まだ10代だった頃は、夢を語るのが大嫌いだった。

自分は何になりたいのか?
どういう道を歩むのか?
全然イメージ出来なかった。

それでも大人たちは、夢を持てと連呼する。
正直うるさかった。

数年、歳が上の先輩方は
「JUNの夢はなんだ? オレは・・・」
としたり顔で語りかけてくるのもうっとうしかった。

やりたい事はあるし、やってみたい事はもちろんあったけれども、
でも実際どうやったらいいか分からないし、そもそも出来る見込みがない。
大学入っていい成績出して、いい会社に入って・・・
そういう方法論で通じる世界なら、もちろんチャレンジするけれど、
どうやっていいか分からないんだから、目指しようがないじゃないか。

よく子供に夢を、なんて言うけれど、子供が夢を見るのは簡単だ。
見て感じればいい。
それだけ。そんなに難しい事じゃない。
でもその簡単な事ですら、日本のモータースポーツシーンでは、大変だ。

だから、今年1年、国内でいろんな形ではあるけれど、ラリーカーを走らせる事が出来てよかったと思う。
本当にチーム及び関係各位にはお世話になりました。
そしてありがとうございました!

イベントをたまたま見たお母さんが、息子の描いた絵をメールで送ってくれました。

こういうのを見るとやっぱり嬉しいよね。

ダカールラリーは日本で行われているモータースポーツではないけれど、
でも日本人が、日本のメーカーが参加していて、日本の人々の目に触れない。
そういう状況を打破したかった。でもそんなの大層な事じゃない。当たり前の事だ。

一番、大事なのは、子供たちが感じてくれた夢を見続ける事が出来るようにする事。

自分も頑張れば、努力すれば、ああなれるんだ。
そういう希望を持つ事が出来る事。
今の日本に必要なのは、希望を持てる社会にするってことだ。

先日F1ドライバーの小林可夢偉選手が、2013年のシートを失ったというニュースがあった。
彼を夢見て、レースをしようと思った子供たちの希望がなくなるんじゃないかと心配だ。
だって、彼はF1に乗るにふさわしい実力を持っている。そういうドライバーが乗る事が出来ない世界に誰が希望を見いだすだろう?

オレだって、三菱がダカールラリーから撤退したときに、やめようと思った。
だって、どんなに頑張ってもダカールラリーで総合優勝にチャレンジする事が、出来なくなったと感じたからだ。

日本人だから海外の世界でやっていくのは難しい、とう言い訳をしたくはないが、
でも相当有名で、チャンピオン経験者でもない限り、海外のチームに入る事は難しい。
だから、そういうポジションに着くまでは、各国それぞれが、自分の国の選手をバックアップする。
そういうビジネスモデルが確立出来ている。

だからF1の関係者はなんで日本は小林可夢偉選手をサポートしないのか? 不思議でならないと思う。

オレだって「JUNはどうしてトップカテゴリーに乗らないんだ?」
って現場で言われる事が多い。

でも諦めない。
だって、今日本人でダカールラリーに参戦しているのは、4輪部門ではオレだけだから。
オレが諦めたら、本当に消えてしまう。

そういう覚悟で、次のダカールラリーに望みます。

今は日本でモータースポーツが若者に理解を得られないと嘆く前に、
昔、あれだけバイクや車に乗っていた、”当時の若者”が、
今どうしてモータースポーツに関心がないのか?
そっちを問題にすべきじゃないのかな。

だって、子供たちに夢と希望を与えるのは、オレたち大人の役目なんだから。
夢を見ろといいながら、希望を与えないのは、卑怯じゃないか!


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  1. 一通 のコメント

    >だって、今日本人でダカールラリーに参戦しているのは、4輪部門ではオレだけだから
    ついにそうなってしまったのですね。名実ともに日本の希望として走って来て下さい!
    それにしても、シンプルながら特徴をつかんだセンスの良い絵ですね。好きだから描いた感じが滲み出ています。こう描かれたら張り切っちゃいますよね!

  2. ピンバック: DAKAR2013 | ABIT-TOOLS

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2012.12.15

参戦発表あれこれ

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先週行われた、チームの参戦発表会。愛知県は豊田市にある、さなげアドベンチャーフィールドだ。
本当は東京近辺でも開催してほしいとチームと交渉したのだけれども、あえなく却下された。
地元密着をモットーにしているからだとか。それも分かるんだけど、
せっかくのダカールラリーというコンテンツを、全国にも発信してほしいんだけどね。
やっぱり東京近郊でやったほうが、より多くのメディアが集まるから。
メディアのほとんどは東京に集まっているからね。

それでも、地元名古屋はもちろん、東京からもいくつかの媒体が取材に来てくれた。

発表会は今度で3度目のコンビを組む、ナビゲーターのアラン・ゲネックも来て、にこやかに写真撮影

そのメディアの方々を乗せての同乗走行。
今年はアスファルトの上でのイベントが多かったけれども、久々の土の上!
ジャンプ台も沢山作っておいたんだけど、これもまた、メディア規制がものすごく多くて、
ここで撮ってもらったらカッコいい絵が撮れるのに!ということろが、

危ないという理由でほとんど立ち入り禁止に・・・・。 

むーーー。残念! オレの運転はそんなに信頼性がないのか????

で、メディアはの情報は先のインフォメーションで紹介したのだけれど、まだ放送されていない分がある。
実はこの日、TBSアナウンサーの高畑百合子さんが、わざわざ来てくれて、同乗体験をしたのです。
彼女は朝ズバのスポーツコーナーを担当していて、毎年ダカールラリーを紹介してくれています。
その高畑アナウンサーが、体験取材という事で、ナビシートに乗り込んだのです。

が、撮影の都合上、普通は1〜2周のところを、なんと5周も回るという。
結構揺れたり飛んだりする路面だから、1〜2周は楽しいと思うけど、5周はさすがに大変だったと思う。
ナビのアランだって、5周は嫌だって言うと思うもの(笑)

それを笑顔で乗り切りって、なおかつ楽しいを連発。
やっぱり女性は絶叫マシンが好きなのか?
ま、ジェットコースターみたいなもんだからね(笑)
そして、さすがプロ。あの揺れる車内でも噛まずにしかも沢山しゃべってました。
他のアナウンサーは舌噛んだ方もいたみたいです(笑)

で、彼女のブログにその時の様子がアップされていたのだけれど、そのあと筋肉痛になったんだとか。
TBSアナウンサー高畑百合子の『ゆりの根っこ』

これがいつ放送されるのか? はたまたちゃんと放送されるのか?
まったく分かりませんが、放送される事を祈りましょう!

撮影終了後、最後にもう一周乗って帰って行った事は内緒です(笑)

で、実はJUN-TVもスタンバイ!
参戦発表の模様を、出国前に放送予定のJUN-TVで紹介いたします。
で、ここでもスペシャルな方をご用意して、同乗体験してもらったのだけど、なんと写真が1枚もない!

いったい誰が乗ったのか? 放送日はいつか? その辺りは、近々発表します!

やっぱり、あの日か???


JUN-TVスタッフもがんばってました!


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2012.12.14

応援メッセージ

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今回の参戦発表会では、皆さんから寄せられたメッセージボードも展示された。今年は日本の各地でイベントをやったので、そのときに集めたもの。イベントの最中はオレは忙しくて全く見る事が出来なかったけど、今回初めて見た。

そしたらオレの名前を書いてくれている人たちがいてくれて、嬉しかったね!

オレが皆さんと接する機会というのは、ほとんどなくて、このオフィシャルウェブサイトが唯一のパイプ役。だったんだけれど、今年はこうしてイベントで実際に目の前で走らせたり、トークする機会が増えたので、少しずつそのパイプが増えた事を、こうして実感してます。

こういうのはやっぱり嬉しいね! ありがとう!

で、発表会のあとに、トヨタ車体の壮行会があって、そこでFIGHTING EAGLES専属のディンプルズというチアリーディングの皆様にも応援いただいた!

Vです。ピースじゃないです。Vですから!

参戦発表の話は明日も続く


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  1. ガッツ斉藤 のコメント

    V・・とってもいいですねぇ
    と同時に、そういう季節なんだと思ってしまいます。
    楽しみです・・・今年は2輪でホンダも出るし日本人の注目度も上がるし、
    そんな中、激走する姿を思うと、ちょっとドキドキです。
    年明けから・・ガッツリ応援しますぜぇ~

  2. 藤田 清 のコメント

    顔が借りてきた猫になってるよぉー!

  3. KAZ のコメント

    メッセージボード書けなかったので、この場を借りて応援させて下さい。
    過去の優勝経験と前回の屈辱を武器に、首位奪還、信じています。
    ついでに三浦、ニコラペアもがんばって下さい。

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2012.11.29

Movie of TGRF

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先週末行われたTGRF2012でのデモ走行のムービーです。
これに約40名の方が乗車されました。
次に乗るのは君だ!


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2012.11.27

TGRF2012

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TGRFと書いて、TOYOTA GAZOO RACING FESTIVALと読む。トヨタの年末を締めくくるモータースポーツの祭典。というかファン感謝祭に近いかな? に、2年連続でデモ走行を行うことになった。場所は4回目となる富士スピードウェイだ。

初めて開催したのは去年の夏の、フォーミュラーNIPPONでのサテライトイベントでだ。サーキットイベントなので、場所はもちろんアスファルトの上。ラリーマシンをアスファルトの上で走らせるという話をもらったときには正直驚いた。だってラリーマシンはオフロード、というかラリーマシンは砂漠とか土漠を走らせるクルマ。日本のオフロードコースを走らせたって違和感があるのに、それをアスファルトの上! その発想は驚いたし、どうするよそれ、って思った。実のところね。

チームもこういうイベントなんてやったことがない。オレもやったことない(笑)。けれども、前々から日本でラリーカーを、一般の人の前で走らせたいと思っていたから、アスファルトの上でも、まぁいいか!って思ったよ。だって、チームはチームの所属するトヨタ車体の社員向け、もしくはスポンサーおよびメディア向けの同乗試乗会しかしなかった。だから、これはチャンスだと思ったわけ。

そこで、前注文として、とにかくジャンプ台を用意してくれとお願いした。ラリーカーは時速100km/h以上でダートを走るために作られている。そのシチュエーションを日本では望むことは出来ない。ましてアスファルトの上ではなおさらだ。
WRCの乗用車ベースのラリーカーなら、アスファルトの上でもリヤを滑らせてドリフトしたり、その場でグルグル回るマッスルターンで観客を楽しませることが出来るけれども、ランクルのラリーカーは性能的にそういう走りが出来ない。

だったら、ジャンプ台を使って飛べばいいじゃないか。

そういうわけで、とにかくジャンプ台を置いてくれとお願いした。
ラリーの醍醐味と言えばジャンプ! 実際ラリーで何度も何度も飛んでるからね。
車高が高いランクルならではの走りと言えば、やっぱりジャンプなんだ。

ところが、会場に行って用意されていたのは、木で組んだ台(汗)
しかも、会場は15m×15mという、激狭エリア!!!!!!

さらに追い打ちをかけるように、アスファルトにはあまりタイヤ痕を残すなという

ここでオレに何をしろっていううううんじゃあああああーーーー!

その場でぶち切れて帰ろうかと思った。マジで。

でも投げ出さずに何かいい方法はないか? 考えたけど、でもあんまり浮かばなった。浮かばなかったけど、でもこのスペースで自分のベストな走りをするしかないと開き直った。そこでもし、もっと大人しく走ってくれとか言われたら、その時は本当に帰ろう。帰ってやる! そう思いながら当日を走った。


GAZOOから拝借・・

出来ることなんかたかが知れてる。ちょっとサイドブレーキターンしたり、木で組んだ台を壊しながら乗り越えてた多少クルマを浮かした走りをしたり、柵ぎりぎりでコーナリングしてみたり。そんな程度だ。
でもお客さんは予想以上に喜んでくれた。結構人も集まって見てくれるようになった。オレから言わせたらこんな走り、なんだけど、でもサーキットを見に来るお客さんからすれば、初めて見る光景だから、新鮮だったんだろうね。特に呼び込みをしなくても人が集まってくれて、喜んでくれた。
それを見たサーキットの担当者も、タイヤ痕をつけながら走っている姿を見ても、何も言わずに居てくれた。だからオレが帰らずに最後まで走ることが出来た(笑)

 

 

それをきっかけに、今度は2011TGRFで走らせることになった。それもだいぶバージョンアップして、だ。というもの、富士スピードウェイ側が用意した、鉄製のモーグルを使えることになったらだ。

これは本来、市販車の4WDの悪路走行を体感してもらう人工のモーグルなんだが、これをオレはジャンプ台に使わせてくれと頼んだ。前回の富士では粉々に壊れた木の台よりも、だいぶ進化したジャンプ台が用意された。

その結果、6〜9mものジャンプでお客さんに喜んでもらえた。なにせフロントから地面に叩き付けられるように着地するから、その姿も人気だったみたい。あまりこんな姿勢になるクルマを見たことないよね、普通(笑) そしてエリアも前回よりも拡大されたので(といっても20×20m)、ギヤが2速に入るようになった(笑)

 

 

そのあと、東京お台場にあるメガウェブでも走ることになった。

実は数年前に、このメガウェブでデモ走行の話があった。ここにはある程度スピードの出るコースがあるが、やはりアスファルト。しかもコース幅は狭い。その時はチームが却下したし、その話を聞いたオレも、走る必要はないなって思った。その時はそう思ったんだ。でもそのメガウェブで走らせることになった。

この時は、TGRFト同じモーグルをジャンプ台にして、結構飛んだね! さらに、メガウェブは狭いとはいえスピードが100km/hくらいになる。だからアスファルトとはいえそこからブレーキングドリフトぐらいは出来るようになった。これも、普通のクルマでは当たり前のテクなんだけど、あのでかいランクルがやると、それだけで迫力らしく、これも大いに受けた。だって転がりそうだもんね(笑)

 

 

 

ところが、次に来た話が東京の代々木公園でのイベント。ここは辛かった! というのも、エリアは最も狭く、しかも、絶対にタイヤ痕を残すな! という。とはいえ、サイドブレーキターンも出来ないから、Uターンすら出来ない。ハンドルフルロックでは曲がりきれないのだ。そのぐらい狭い!

でも今まではアスファルトとはいえ、クルマ好きが集まる場所だった。でもこの代々木公園は本当に普通の人が居る場所。だから、とにかくクルマをジャンプさせる事だけに専念して、Uターンは切り返しながら、MCのトークで場をつなぎながら行った。ブレーキングで柵ぎりぎりに止まったりね。でもクルマが浮くところをものすごい数の方々が、本当にびっくりしてみてくれた。


すごい人でしょ!

 

 

このイベントを終えて、オレはアスファルトでのイベントにある程度の自信がついた。

 

 

確かにラリーとはほど遠い場所だけど、でもこの代々木公園の厳しい制約の中で走らせられたのは、このラリーカーならではだと思う。だって、他のカテゴリーのクルマでは、エンジンかけて走らせても、本当に何も出来ないからね。でもラリーカーならデモランが出来る! それはとても誇らしく思えたよ。

その後はさらに夏に3度目の富士スピードウェイ。さらに広くなって、今度は一瞬3速に入るまでになった!

そして10月には新しいジャンプ台が用意されたメガウェブ! ここでは3速でジャンプ! 12~15mものジャンプを見せる事が出来た!

この飛距離! ここまで来ると、実際のラリーでもなかなか出来ないジャンプだよ!

 

 

で、ようやく今回のTGRFだ。

今回はジムカーナコースという広大なエリアを用意してもらった。さらに新型のジャンプ台もある。もうね、今まで狭いところでやっていたから、広すぎてどうしていいか分からないの(笑)

でも、それはとっても贅沢な悩みだよね。

そうして完成したデモコースは、最長17mを超えるロングジャンプ!

結構な距離だったと思うよ。何しろ3速で結構踏んで入っているからね! 時速も100km/hでのジャンプだから、同乗された方もちょっとびっくりしたんじゃないかな?

スピードが出てるし広いから、ドリフトもソコソコ様になったんじゃないかと思うんだよね。

場所がジムカーナコースだったから、かなりメイン会場か遠かったけど、多くの人々が見に来てくれて本当にうれしかった。!

そして、何の催促もしてないのに、自然に拍手が沸き起こっていたのもうれしかったね!

アスファルトでのイベントをこうして7回やったけれども、回を重ねるごとにパワーアップ!
でも、これ、最初の富士のイベントで怒って帰ってたら、決して出来なかった事だよね。だから、最初の富士で、黙認してくれた担当者の方には、本当に感謝してます。あそこで止められていたら、今回のTGRFは絶対になかった。
そして、その最初の富士の、どうしようもない走りでありながら、とても喜んでくれたお客さんのおかげでもある。あそこでツマラナイって言われたら、やっぱり次もなかったからね。

今でも、果たしてラリーカーでこういう走りをしていいのだろうか? って思う事がある。でも、お客さんが喜んでくれることをやっていきたい。まずはそこありきだね。その思いで今後もこういったイベントが出来るように、各方面の方々のご協力をあおぎたいと思います! そして、今回もチーム、TGRFスタッフ、富士スピードウェイのみなさまにも感謝です!

そして、オフロードでのイベントも、ぜひ出来るといいなと、密かにもくろんでます!


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  1. GK51 のコメント

    同乗してみたいですねぇ(^_^;)
    ぜひ「美山町」でも飛んで欲しいなぁ
    諦めずに待ってるからね〜(^O^)/

  2. れんたろう のコメント

    ジャンプはもっと色々な場所でやって欲しいです。
    「車が空を飛ぶ」のを生で見るのはなかなか無いですから。
    本当はフェシフェシを走破するのを生観戦したいですが!(笑)

  3. くろくま のコメント

    TGRFでの同乗走行に参加させていただきました。
    三橋さんのテクニックの凄さとランクルの性能の凄さを間近で感じられた事とただただ単純に楽しめました。
    特に大ジャンプは一番楽しめました。
    妹も同乗させていただいきとても楽しかったと言っていました。
    僕自身は普段はサーキッ走行が多くあり、ラリーは見る程度でしたがラリー競技にも参加してみようと思えるようになりました。
    ありがとうございました。
    来年のTGRFでもイベントを開催していただけるならぜひ参加したいと思います。
    次はグラベルを体験してみたいです。

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