2018.06.01

宇宙戦艦ヤマトに見る戦艦大和との関連性

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さて、大和ミュージアムに行く前の夜
宇宙戦艦ヤマト2202 第5章「煉獄篇」を見たとブログで書いたのを覚えているだろうか?

アマゾンプライムで4000円払って見たのだ。

宇宙戦艦ヤマトは、最初のシリーズこそリアルタイムではないけれど、
さらば宇宙戦艦ヤマトからどハマりし、完結編まですべて映画館で見た、
我が少年時代のアニメといってもいい作品。
リメイクされた2199から、今度の新作も欠かさず見ているのだが、
今回の第5章は怒りを覚えた。

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なぜか?

それは旧作ファンだから、という簡単なものではない。
これは宇宙戦艦ヤマトに見る、戦艦大和への捉え方そのものが
大いにずれてしまっているからだ。

いや、戦後レジュームからの脱却と言われる時代だから、
新しい解釈のストーリーを出しても構わない。

しかし、戦争という普遍的テーマの中で、
それをしたらいかんだろう!
という描写が許せないのだ。

なんのことだかさっぱりわからないだろう。
だからこそ、ここで語らせていただきたい。

宇宙戦艦ヤマトは、戦艦大和のストーリーを大いになぞった物語であるということを!

そんなことを思いながら、宇宙戦艦ヤマトを見ているのは、恐らく俺だけだろうが、
ここはひとまず語らせてもらうし、その解釈に異議も異論も認めない。
なぜなら、これは俺の解釈だからだ。

ご存知の通り、宇宙戦艦ヤマトは、戦艦大和をベースに、宇宙戦艦に仕立てて、
14万8000光年(2199では16万8000光年になっている)の彼方にあるイスカンダルに救いを求める話だ。

ガミラスと言う未知の生命体から攻撃を受け、
放射能に汚染された惑星となった地球。
あと1年で人類は滅亡するという時に、
イスカンダルから来たという使徒が持って来た、地球を救う装置と
その航海に耐えるエンジンの設計図。

この状況でどうして船を出せるか?!
こんな話誰が信じる?!

しかし、ここは一途の希望なのだ。
果たしてたどり着けるのか?
そもそも本当にそんな星はあるのか?
いって帰ってこれるのか?

そんな大問題を押しやって、わら一本の希望にすがって、ヤマトは旅立つのだ。

戦艦大和はどうだ。
沖縄はすでにアメリカの手に落ちた。
燃料はない。
飛行機もない。
なのに、軍は大和を沖縄に派遣する。
それに反発する乗組員。
しかし、彼らは自分たちで、その出撃の意味を見出し、散っていく。

そのベースはあまりにも似ている。

ヤマトの場合は、無事に帰って来てその希望をつなぐが、
出発時はそもそも、その希望すら危ういのだ。

そしてヤマトは大活躍しない。

大抵大破する。
第三艦橋は何度も落ちる。
波動砲という絶対的な武器を持っていても、
実際ストーリー上で敵を撃破するのは白兵戦がほとんどだ。

つまり、ヤマトはやられてもやられても、どんな困難にも
諦めずに進むという、強いメッセージがこもった作品なのだ。

だから、大和とヤマトはそのベースを同じくしている、と俺は思っている。

で、だ。

その続編のさらば宇宙戦艦ヤマトはどうか?

復興から蘇った地球は、太陽系内の惑星を資源として拡大。
まるで先の大戦がなかったかのような、反省のない生活。
そして、未知のメッセージが宇宙の危機を伝えて来た。
が、地球政府は無関心。その昔、イスカンダルに助けられたという
助け合いの精神を失った世界。

そこでヤマトは反逆者として旅立つのだ。
この意味は深い!。
戦後の日本と置き換えてみよう。
色々考えさせられるではないか。

そして、ガトランティスという新しい敵の前に、ヤマトは満身創痍。
武器もエネルギーも底を尽きて、八方塞がりだ。

そこでは乗組員のほとんどが死んでしまう。

そして最後は特攻して最後を遂げるのだ。

この時の主人公・古代のセリフがこうだ

世の中には、現実の世界に生きて、熱い血潮の通う幸せを作り出すものもいなければならん。
君たちは、生き抜いて地球へ帰ってくれ。
そして俺たちの戦いを、永遠に語り継ぎ、明日の素晴らしい地球を作ってくれ。
生き残ることは、時として死を選ぶより辛いこともある。
だが、命ある限り、生きて、生きて、生き抜くこともまた、人間の道じゃないのか。

ここにも、未来を見据えた言葉がある。
宇宙戦艦ヤマトは、戦艦大和と同じく、
未来のために旅立っていったのだ。

これこそ同じではないか。

特攻を美化するという声から、別ストーリーのヤマトが作られ、
続いていくが、どんどん駄作になっていく。
だってそうだろう。そこにはメッセージ性がないのだから。

確かに「さらば」は最後に特攻していくが、
それは美化というよりも、戦艦大和の生涯になぞらえた、正しい終わり方だと、俺は思っている。

だからこそ、だ。

第5章のコスモタイガー隊の加藤の行動が許せない。
そんなことするはずがないのだ。

16万8000光年の修羅場をくぐって来た兵士が、
あの行動を起こせるはずがないのだ。

その辺は是非映画を見てもらいたいが、
だからこそ語らずにはいられなかった、

宇宙戦艦ヤマト論なのである。

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第5章はこのパッケージにもある通り、
アンドロメダの大破シーンがむちゃくちゃカッコよかった!
そこは鳥肌ものです。


カテゴリー: Diary

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