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2011.11.03

臆病者はかっこいい

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昨日、だったっかな?
おとといだったかな?

ラジオで札幌の市街地に頻繁に熊が出没するというニュースをやっていた。
なんでも新世代の熊は人間を恐れないんだとか。
元々熊は臆病な生き物なんだそうだ。
以前は山に人が入り、手入れやなどをしていたので
人と出逢う事のある熊には、人間は怖いものだと言う情報がインプットされてい。
でもそれが、今人は山に入る事が少なくなったので、
人に出逢う事も少なくなり、人への恐怖心が無くなった。
というのが専門家の意見として紹介されていた。

そういえば動物って意外と臆病な生き物だって教わった記憶があるなぁ。
ドウモウな動物でも、基本臆病だって。

臆病なら危険な目に遭わなくてすむわけで、自然界にはそれこそ命を奪うような危険が沢山。
そこに近付きさえしなければ、命を落とすようなリスクは避けられる。
理にかなった、動物がもつ危機管理能力だ。

以前も、プロスキーヤーの方と話をしたときにも、同様な事を聞いた。
「3月に地震があったでしょ。あの時白馬にいてね。撮影をやってたんだ。
でも地震で雪崩のこともあったし、風も変わったから、もう山に入るのをやめて降りて来たんだ。
そしたら、案の定、雪崩があってね。パーティが飲まれちゃったんだ。
その中にはプロもいたんだけどね」
プロでもやっぱり予測できい、想定外の事だったんですねってオレが言ったら
「そういう事じゃないんだ。リスクはいつだってゼロじゃない。
あの日はそういう不安要素があった訳だから、山に近づく必要なんか無いんだ。
だって、そんなリスクを背負ってまで、滑る必要なんか無いじゃないか。
確証がなくたって、リスクを感じ取ったら、そこに近づく必要なんかないんだ」。

と、すごく残念そうに話していたのを、この熊のニュースで思い出した。

確かに、日常生活において、身を危険にさらすようなリスクを背負うような必要はどこにも無い。
ちょっとでも不安があったら、それを取り除きたいと思うのは、本当は動物にも、人にも備わっている機能なんだよね。

でも人間社会ではそれが機能しなくなる事が多いという。
子供の頃から「意気地なし」「チキン」「臆病者」と、からかわれる。
そして、大げさだ馬鹿にされる。

以前もこんな実験をやってた。
部屋に男女数名を入れ、そこに煙を流し込んでみると言うもの。
普通なら、どこかで火がでてる? って思うんだが
誰も騒ぎださなかった。
こうやって、火事で逃げ遅れる人が出るんです、と分析していたっけ。

あれ? 煙だ。なんか変だぞ、ヤバいぞ。
でも自分だけ騒ぎだすとかっこわるいし、なんだか大げさだと思われるし
周りも動かないし、まあいいか….。
そういう心理が働くそうだ。

万一のことがあるから逃げよう! とはならないらしい。
逃げておいて何も無かったら、馬鹿にされるから。

いわゆる危機管理能力と言うことになるのだけれど、
人間も動物。その危機管理能力を、いざと言うときに発揮できる人こそが、
生物として高い能力を持つものなんじゃないかと思う。

怖さを知ってこそ強くなる。

人の怖さを知らない熊は、人間に殺される。
雪山の怖さを知らなければ、危険な目に遭う。
砂漠の怖さを知らなければ……
他にも………

臆病者はかっこいい!めざせ臆病者だ!


カテゴリー: Diary

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