ここ最近で、とても心に響いたのが、NHKのPR部門で配信されているtwitterでつぶやかれた、この言葉。
「不謹慎があるなら謝りますが、不寛容には戦います!」
震災があるのに飲んでるなんて不謹慎だ!
パチンコやってるなんて不謹慎だ!
卒業式なんて不謹慎だ!
もう日本中不謹慎だらけ。
先日も、国内で人気なモータースポーツ「SUPER GT」を予定通りに開幕させるのかどうかで、不謹慎の嵐が吹き荒れた。
でもね、レースやったら不謹慎なの?
確かにこんな時にガソリン使うなんて。
こんなときに娯楽なんて。
ごもっとも。
被災者に行くべき燃料を奪って開催するなら大問題だけど、そもそも使用されるのはレーシングガスである。さらに開催エリアも九州(岡山)。電力をカットしたところで、被災地には届かない。つまり、開催したって、現地にはさほど影響ないのだ(ゼロとは言いません。なぜなら自分でも詳しく調べてないからだ)。
これって、場面は違うけれども、パリダカをはじめとするクロスカントリーラリーで言われている事と似てるなって思った。
アフリカの大地をレースするなんて、環境破壊だ!
自然の中を燃料巻き散らかすなんて、非常識だ!
言われ続けてる。
でもね、そういう声を聞くのは、ほとんどが、レースが行われていない国に住んでいる、全く無関係な人たちからだ。
これらの声は、単純に自分の価値観に合わない人々を非難しているだけなんじゃないの?
そんな声はいちいち反応しなくていいじゃないか!
NHK PRのtwitterは、まさにそう言い切って、自分のスタイルを突き進んでいるのが、とてもかっこ良かったと思った。
言いたいのは、被災者の声じゃないから聞かなくていいってことじゃない。
被災者のなかにも、当然同じように、こんな時にレースなんて、イベントなんて、って思う人もいるだろう。
今我が家に避難している人々も、埼玉ではあまりに普通の生活が流れているので、ものすごくやるせない気分になっていたようだ。
そう、普通に生活しているだけでも、被災者にとっては不謹慎に見えてしまうんだ。
だったらなおさらレースなんてやっちゃいけないじゃないか! と言われるかも知れない。
でも、それと同じように、レースやってよ! という被災者の声も、ある。
「オレらののせいで、暗い生活を送らないで!」という声も聞いた。
つまりどっちの意見もあるってことだ。
だったら、自分の活動を応援している人たちのためにも、自分のフィールドで頑張る! というのが、不謹慎なのか?
まして、今オレたちモータースポーツアスリートたちが集まって、何かしたいと思って活動している。決して彼らの存在を忘れた訳じゃない。
さらにだ。この災害によって、オレたちモータースポーツ関係のイベントはことごとく中止になった。中止になれば収入は激減である。スポンサー活動だってままならない。有名な選手以外は、金銭的に苦しい立場に追い込まれる選手だっているだろう。レースクイーンやキャンガルだって、活躍の場を奪われてしまえば同じ事だ。
だからオレたちも被災者だ! なんて言ってる訳じゃない。
オレたちだって、逆境に立たされているけれども、でもそんな事いてられないくらい、今回の災害に心を痛めている。だからこそ、みんなで集まって、何か活動できないかって思っている。思っているだけで何もできないのがもどかしいんだけれどもね。
そういうなかで、みんなレースを、イベントを開催しようかどうするか、懸命に悩んでいるんだ。悩んだ結果、中止するかも知れないし、開催するかも知れない。でもそれって不謹慎なのかい?
しかも、モータースポーツファンって言う人々が、選手を、主催者を非難するのかい?
不謹慎な行為な慎むべきではあるけれど、そんな事言ったらすべての行動が不謹慎になっちゃうよ。普通にご飯食べてるだけでもね!
アフリカの餓えた子供たちがいるのに、こんなに食べ物を無駄にして! ってよく言うけれど、食べてるときにそんなこと考えたかい?
海外には飲み水に困っている人がたくさんいる、ってニュースは知っているのに、シャワーはバンバン使ってるじゃないか。いいだしたらきりがない。
だから、このNHK PRの「不謹慎には素直に謝るが、不寛容には戦う!」というスタンスを、オレも貫こうと思う。