2013.09.08

白馬の山から下りる

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山小屋に着いたときには、体も手もひえひえだった。

友人からは、

「場所的に人気がないから、人が少なくて、静かで、飯もうまくて、良い山小屋だよ。
団体さんは、その隣になる白馬山荘に寄るから、天狗山荘が絶対オススメ!」

と言われたが、オレがチェックインする時にはかなりの登山客が泊まるために山小屋を訪れていた。

で、オレ自身山小屋に泊まるのは2度目。
2度目といっても、一度目は、今世界遺産となって大人気の富士山だ。
初めて登った富士山で、その日に台風が直撃。とても登山出来る状況ではなくなった。
あまりの雨に8合目の小屋に避難して、売り場の土間で、他の登山客と雨宿りをしていたら

「はいはい、客じゃない人は出てって!」

と山小屋の人に追い出される事になった。

この雨の中表に出たら、そりゃ無理だ。と思い、
すぐに宿泊する手続きをとった。
それが初めての山小屋泊だ。
高校生の時だから、かれこれ30年近く前の話だ。

だから、今回のように、きちんと山小屋に泊まる計画で、
夕飯も朝飯も食べるのは初めて。

ちょっとドキドキである

奥に入ると、寝室は2段になっていて、大部屋? の様に仕切られているが、
なにせ2段になっているので、天井は低い。フェリーの2等寝台の大部屋バージョンと言ったところか。

布団は敷き布団が2人用で、掛け布団が各自にあるという感じ。
今回は同じエリアでもう1人の若い男性がいるだけだから、
ギュウギュウ詰めじゃないので、だいぶ楽だ。
しかしその若者は、まったくこちらを見ようとしないので、
挨拶すら出来ない感じ。
まぁ交流したくないのだろうとおもい、こちらも声をかけなかった。

夕飯は5時30分。
山の夕食は早い。

狭い食堂にはぎっしり人が集まってきた。
寝るスペースはまだまだ余裕はあるけれど、
食堂スペースはいっぱいだ。
おそらく30人くらいいるだろうか。
ひとテーブル6人の相席だ。
食事はご飯にちょっとしたおかずと水炊き。

ご飯はおかわり自由だ。

目の前に座ったのが同じフロアの青年。
彼は無口で一切口をきかない。

隣の2人組老夫婦もシャイな感じであまり話しかけてこないので
かなり静かな夕食となった。

さっさと食い終わったはいいが、
さすがに寝るのは早い。
本がいっぱい置いてあったので、
赤川次郎の「死体置場で夕食を」読んでみた。

部屋が暗いのでストーブのある乾燥室で読んでいると、
白馬岳で写真を撮ってあげた女性が入って来た。
ご両親と、娘の3世代5人で登っていたのだが、
おばあさんはどうもどうもと声をかけてくれるのだが、
お母さんはものすごく無愛想だったのを覚えてる。
ここでも無愛想な感じだったので、しばし乾燥室に無言の重苦しい空気が流れる。

ちょっと耐えきれずにこちらから、どちらまで行くのですか?
と聞くと、こっちがびっくりするぐらい、色々話してくれた。
そのギャップにびっくりした。
というか、もしかしてオレが話しかけにくいオーラ出してるのかな?
それはあるかもしれない(笑)
この風貌だし、
さらにトレイルランナーばりの軽装だ。
登山の人とは明らかに雰囲気もペースも違うから、
警戒されるのは無理ないかもしれない(笑)

で、微妙な赤川次郎を読み終えて、さっさと寝た。

朝。

雨はないけど霧の中。

5時半から朝飯で、朝早いが寝るのが早いので問題なし。
朝ご飯は簡素だ。

で、他の客はすぐに出かけていったのだが、
オレは少し待つ事にした。
午後になると天候が回復するという、天気予報を当てにしてだ。

この山荘で一応軍手も買っておく。
350円の高級?軍手だ。
デモ昨日寒かったから絶対必要だ。

1時間ほど山荘でまったりしてから、のんびりスタート。
今日のメインディッシュは不帰嶮(かえらずのけん)だ。
日本三大キレットと言われる、鎖場の難所だ。

ここを天気のいいなか越えたかったんだよなぁ。
と思ったら、その入り口では晴れた!

八方と白馬村を見下ろす景色が何とも美しいではないか!!!!!
光の具合がたまらない!

でも、そこから始まる鎖場はまっしろけ!

結構急な岩場と言うか、垂直にそびえる岩場を鎖をたよりに登る。
こんな感じでそびえてる。
感覚的には垂直だ。

でも下が見えないからあんまり怖くない。
片手で鎖を持ちつつ、自分撮り(笑)

その後もしばらく鎖場が続く。

結構時間がかかると言われたのだが、気がつくと唐松岳に着いてしまった。

この時点で10時。3時間で抜けて来たのか。
後は下るだけ。
しかもこのルートは去年登ってるので、道も分かる。
山を下り始めるとすぐに天気が回復。
そう、山の上の方だけ雲に入ってたのだ。
山の天気は難しいね。

ところが、ここでえらく時間を食ってしまった。
というもの、中学生の団体が登ってたり降りたりしてるのだ。
団体だからものすごい行列!
抜くのも大変だし、のぼりに譲ると延々待たなきゃならない!

それがどうも2~3学校まとまって来てるらしい。
団体さんご一行!!!!!

最後の難所(?)を越えて、
遠くに見えて来たのはリフト乗り場。
その下に見える白馬村のパノラマが美しい!

で、リフトに着いてもまだゴールじゃない。
実は2つのリフトを乗らずに降りるのだ。
なぜか?
まだこの時点で12時だったというのと、
2つリフトを降りたところに、自転車をデポしておいたからだ。

黒菱リフト乗り場に隠しておいた自転車にたどり着いて、ゴール!

あとは林道をこのMTBで降りるだけ!

頑張って歩いた最後のご褒美だね。

やー楽しかった!


カテゴリー: Diary
  1. 一通 のコメント

    鎖場の自分撮りとはかなりチャレンジングですね。
    人間の方が地形よりも難所だったりして、さすが登山シーズン。
    眺望の素晴らしさ、爽やかさ、こんなところでトレーニングするなんていかしてます。

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