2011.01.20

声援ありがとうございました! その1

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無事に日本に戻る飛行機に乗りました。
月曜日は朝から無くしたパスポートの代わりの書類を大使館に申請して、戻ってきたら大慌てで荷造りして飛行機に飛び乗った。予定通りの飛行機に乗れてよかった。

とはいえ、まだ電話がない。痛い出費だね。誰かiphone4くれないかな(笑)

今回のダカールラリーは、ライバルが不在と言われた。それは今までライバルだった奴らが、皆上のクラスになったからだ。なかでも、スペインのフォッジという選手は、同じTOYOTAの新型プラドを持ち込んできたのだが、車検で不備があり、T2クラスから離脱してしまったのだ。とはいえ、彼の乗る車は間違いなくT2のそれであり、つまりクラスは違えど、彼は実質同じクラスで戦っている、そう思って走っていた。

事実、燃料トラブルが起きた3日目に、フォッジにトップを奪われており、事実その2日後まで彼の方が累計成績では上だったのだ。

だから一度もトップを明け渡す事無く優勝した、とは言えないのだ。

それでも、その後すぐさまトップを取り返し、さらに去年まで負け越していた砂丘ステージでもトップを獲った。終ってみれば、トータル7時間差以上。去年が6時間半だから、去年より差を広げる事が出来たのは、正直嬉しい。

では、彼と戦っていたかと言うと、それも違う。人の事を気にしてる余裕は、全くなかった。

何しろ、元旦から体調を崩し、
熱も出ているようで毎日解熱剤を大量に飲んでスタートしてた。しかも、それが中間日のアリカまで長引くとは思わなかったし、さらに後半は声まで枯れてしまい、さすがにチームにばれたと思ったけれど、みんなはホコリで声が枯れたと言ってた。ばれてたのか? ばてれなかったのか? 今となってはわからないけれど。

さらに、年末のホテルのジムでトレーニングした時に、左足の筋を痛めてしまい、クラッチを踏むとお尻から足にかけて、刺すような痛みに最後まで悩まされた。

その痛みは風邪が治ってからさらに悪化して、衝撃がお尻に伝わる度に痛みが出るようになってしまった。メディカルセンターに行って強力な痛み止めを、その後毎日飲む事になった。でも、その痛み止めはかなり効いてくれて、だいぶ楽になったのは確かだ。

そうしたら、アルゼンチンに戻ってきた最後の砂丘でオーバーヒート。次に副変速機のトラブル。気が休まるステージは、ほとんどなかった。

だから、最後のステージをゴールした時には、本当にホッとした。終わったーってね。だから、ベストを尽くしたというよりは、
とにかく仕事をこなした、という思いが強い。

ところが、メディアの人々には、10年の参戦で最高の走り、と言われた。確かに、成績だけを見れば全くもって安定しているし、トラブルが起きた時に致命傷にはなってない。そういう意味ではいい走りをしたのだろうけれど、自分の中では全然納得出来てない。もっとうまくやれた、もっと良いタイムを稼げた、という思いが強い。でも、そんなものかもしれないな、と今は思ってる。調子の悪いほど、いい結果が出る。そういうものかもしれないと。

でも、こんなに自分と向き合って、毎日走ったダカールラリーは初めてだった。気にしないとはいえ、いつもライバルたちのタイムはチェックしていたし、動向も一様視野に入れていた。でも今回はまったくなし。後半体調が良くなって、総合順位が上がった事で、いつ後ろから抜かれてタイムが落ちるか、と言うときになってからだ。とはいえ、気にしたって戦える相手じゃない。何しろ数年前のファクトリーマシンやバギーがやってくるのだ。無理したところでどうにもならない。ところが彼らの方が自滅してくれたおかげで、順位を落とさずすんだ。そんな感じだった。

とにかく、今回初めてUSTREAMでの配信にtwitterなどを行って、現場にいたオレとしてはやる事がいっぱいあって、正直大変だった。だから、みんなの応援はもちろん事、喜んでくいれたのなら、とても嬉しい。

とにかく2週間、このHPで応援してくれた皆さん、本当にありがとう!

トランジット中のパリより

つづく


カテゴリー: 2011 DAKAR, Diary, Movies
  1. ViveLaBibendum のコメント

    三橋淳さま
    やっぱり無事じゃなかったんですね。
    相変わらず潔いことで益々敬愛致します。
    ホモっ気はありませんからご安心w
    鎮痛剤は胃を荒らします。
    帰国なさったら健康診断で胃内視鏡を呑んで念のため胃潰瘍の有無をチェックして戴いて下さい。
    正確な言い廻しは面倒ですがイメージとしては、痛覚と胃粘膜保護がリンクしてて鎮痛剤が胃粘膜保護因子を損う、みたいな。
    ラリー中はアドレナリン出まくりで胃痛なんて感じてる暇も無かったでしょうが、国の宝には長生きして戴かないとなりませんので是非!

  2. 一通 のコメント

    体調がベストじゃなかったなんて、意外です。完璧なレース運びとしか思えませんでしたし、Ustreamライブでも明朗快活でいらっしゃったので・・・でも走りも中継もプロの成せる(為せる)技だったからこその完璧さだったのですね。流石のプロ根性としか申せませんです。ラリーしながらのUstreamは、見る方はただひたすら楽しいだけですが、中継する方は大変だろうなあ、と思ってました。ただその大変さは時間的な大変さだけしか想像できていなかったですけど、それだけじゃない大変さも負ってらっしゃった・・・お疲れ様でした。早めにご自身もメンテナンスなさって下さい。何しろ遠大なダカールに挑んで勝利を得た後なのですから。

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