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2007年12月15日

信頼

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今週もいろいろ出歩いてて、なかなか更新できませんでした。
というか家に帰ってないし。当然準備もしてませんけど、なにか???

で、写真は友人の田代ディレクターの事務所に行ったときに、
急遽WEBマガジンのタイトルカットのモデルをやることになって、
セットを組み立ててるところ。
どこのWEBマガジンかわかったら偉い!
だって多分背中だけしか映ってないだろうからね。
オレだってわからないよ。


そんな夜にちょっといろいろ話をしたんだけれど、
信頼関係って言うのはどうやって築いてきたんだろう?
人はどんなところで人を信頼するんだろうって、話になったわけ。
そう考えたことってないけれど、でも信頼できる人と、信頼できない人って言うのは
自然と分類されてるなぁって思うんだよね。

レースの世界なんて、ほんと信頼関係がないと出来ないと思うし。

たとえばメカニックと信頼関係がなければ、怖くて車なんか走らせられないよね。
いつタイヤが外れるか?! なんてビクビクしてたら、
レースどころか危険だよ。死んじゃうよ。

ナビゲーターとの信頼関係もそうだよね。
何しろドライバーはどっちに行くのか、この先に危険が潜んでいるのか、
さっぱりわからない。
それをナビゲーターの指示を信じて走るわけだから、
その言葉にいちいち疑いをかけていたのではとても速く走れないし、
それどころか思考が滞るので、危険すぎるよね。

とくに今のダカールラリーは、コマ図に書かれている情報が正確だから、
たとえ先の見えないジャンプでも、ナビゲーターがコーション(危険)をコールしなければ
全開で突っ込んでいく。そんなレースになっている。
だからこそ、ナビゲーターとの信頼関係がなければ、レースは出来ないし、
危険すぎるよね。

先のWRCの日本ラウンドで、チャンピオン争いをしているセバスチャン・ローブが、
コースアウトしてリタイヤしてしまったんだけど、これはナビゲーターがミスをしたからだという。
で、意地悪な記者が、ナビゲーターに怒りはないのか? と聞いたらしい。そしたら
「彼とは10年コンビを組んできているが、今まで一度もミスがなかった。そして初めてのミスで、
今日リタイヤしてしまったんだけど、僕は逆に、今までミスなく走ってくれてありがとう、と
感謝しているくらいだよ」
とコメントしたらしい。

オレの場合はどうだろ?
今まで6人のナビゲーター(うち5人がフランス人)と組ませてもらったけれど、
その中で一番信頼できたと思えるのが、2005年に総合11位に入ったときの、シルバン・ポンセだ。
それは彼と組んだから好成績だった、というものではない。確かに良い成績を出せたことは大きいし、
彼はナビセンスがあった、というのもあるけれど、それ以上に彼の”気持ち”によることが大きかった。

彼とはモロッコのラリーで初めて組んで、しかも初顔合わせがレース現場。それまで
彼がどんな人間だか全くわからなかったし、興味もなかった。
というのもバイクから4輪に転向してわずかしかないオレには、ナビゲーターと組むのが
苦痛以外の何者でもなかったのだ。
バイクの場合は自分でナビゲーションして走る。それが他のバイクレースと違うところであり、
大きな魅力だったわけ。ただ速いだけではなく、自分で考え、道を探すトータルな能力を
競う場だったからこそ、すごく魅力を感じてたわけ。
それがナビという競う要素を、奪われるどころか他人に託すなんて、考えられなかった。

だからオレはシルバンを、はじめから全く信頼していなかった。
まして彼はラリーを数回しか出たことがないド素人だったことも、拍車をかけていた

それが2日目のこと。
砂丘地帯を走っていたら、GPSポイントを通り過ぎてしまった。
戻ろうと思ったが、それが結構難しい砂丘地帯で、戻るのもままならない。
その頃のルールは、GPSポイントは全部網羅する必要がなかったので、
オレはもういうよ、先に行こう! と、GPSポイントを気にするシルバンを
ほっておいて、先に進んでしまった。

そしたらその場所にシークレットチェックポイントがあったわけ!!!
チェックポイント不通過で、2時間のペナルティ・・・。

これは先を急いだオレ自身のミスだ。
と、オレはそのときの監督に言ったら、シルバンが
「いや、ジュンをちゃんと制止して、GPSポイントを全部フォローしなかった
オレの責任です」
とそう彼が言ったのだ。
どんだけ自分が悪くても謝らないフランス人が、しかも彼が悪いわけでもないのに、
そういったんだ。

そのときオレはすごくわかった。彼は本当にナビとしての仕事を全うしようと、真剣だということに。
それ以来、オレは彼を全面的に信頼できるようになった。
もちろん間違えるときもあるし、口論することもあった。
でもミスそのものを攻める気持ちは一切なかった。
それは彼が真剣にナビとしてベストを尽くそうとしていることが、オレにはわかっていたから。
だからオレは彼を信頼できることができた。

おかげでそのレースも総合優勝できたし、一緒に組んだダカールでも好成績を収めることができた。

彼自身も、NISMOからもらったナビゲーターとしてのチャンスを必死につかもうとしてたんだと思う。
NISSANが撤退してしまったので、彼もシートを失ってしまったんだけど、
それでも全開のダカールにはプライベーターのシートにしっかり収まっていたから、
彼は今もがんばっているんだなと思うと、うれしいし、オレも負けてられないと思う。

なんか友人と話しながら、そんなことを思い出した夜でした。

投稿者 junadmin : 2007年12月15日 20:12

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